その他〈本の整備・手入れ〉

Q.破れてしまった本を返却するときは?

QUESTION

児童生徒が自分でセロハンテープを貼って修理し、黙って書架に返却してしまう場合があります。

■ ANSWER

自分で破ってしまった場合は言い出しにくいことかもしれませんが、破れてしまった場合も、破れを見つけた場合も、黙って返却するのではなく、担任の先生あるいは学校図書館の司書教諭や学校司書に申し出るよう、事前に伝えておきましょう。年度初めやオリエンテーションの機会に話をするとよいと思います。本の修理には専用のテープを使うことを説明し、セロハンテープを貼らないよう具体的に話しておきます。セロハンテープは劣化してしまいますし厚みがあって仕上がりが美しくなりません。
館内に、修理が必要な本を入れておく専用の箱を設置しているところでは、児童生徒が返却する際に、黙って本を入れてしまわないよう心くばりしたいものです。

Q."本のおそうじ"が手軽にできる方法は?

QUESTION

予算も人手もなくて取り掛かれずにいます。

■ ANSWER

図書専用のクリーナー(液体)やブラシなどがあり、装備などの品といっしょに購入して行うことが出来れば一番よいのですが、ここでは手軽に行えるおそうじをご紹介します。
市販のメラミンスポンジを小さく切って、少しだけ水で湿らせたもので表面をこすり、乾いた布ですぐに拭き取る方法。クリーナーの保管や準備の手間が少なくすみます。天地のほこりを落とすには、歯ブラシ。糊のベタつき、黒ずみには、砂消しゴムや消しゴム、小口などの変色には紙やすりを使ってきれいにすることができます。
日々の仕事として"本のおそうじ"まで手が回らない場合は、読書週間などのイベント前にボランティアを募集したり、図書委員会として行うなど、まずはきっかけを作ってみましょう。

Q.カバーがない図書があるけれど?

QUESTION

紙のカバーをはがしてしまったらしく、無地の表紙になってしまった図書が見受けられます。表紙カバーをはがす習慣があったのでしょうか。

■ ANSWER

かつてはコート用フィルムなどで図書全体を装備することはされていなかったこともあり、学校図書館では、表紙カバーと表紙が同じであるならばという条件で表紙カバーをはがして図書そのものに分類ラベルを貼るということが行われていました。
表紙カバーは図書の大事な一部、要素です。著者紹介やあらすじなどの情報も得られます。全体をコーティングできない場合、表紙・背表紙部分だけでもコート用フィルムをかける、切りとったそで部分をどこかに貼るなど、表紙カバーを生かすようにしたいものです。
カラーコピーをして表紙カバーを作るということも見られますが、著作権法上、許諾なしで表紙をコビーすることはできないことを念頭においてください。

Q.バーコードを貼る位置は?

QUESTION

本のどの位置に貼るのがよいか、決まりはあるのでしょうか?

■ ANSWER

正しい位置というのが定められているわけではありません。蔵書点検をする人の立場からすると、バーコードを貼る位置は表紙か裏表紙の下の方で、背表紙に近い位置あるいは真ん中などに貼ってあると作業がしやすいでしょう。本によって位置がまちまちだったりすると作業効率はさがってしまいます。ただ、表紙は損ないたくないので、できれば裏表紙がよいと思います。
背表紙に近い位置に貼ってあれば、本を立てたまま作業する場合に少しだけ前に抜き出せばよいので楽ですが、蔵書点検で大切なことは、一冊ずつ手に取って、本の状態の確認や中身の点検を行うことでもあるので、本の有無を確認するだけにならないようにいしたいものです。