学校図書館担当者のための情報館
件名について
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Q.「件名」って何?
QUESTION
選定リストに記載されている「件名」とは、Eメールなどに使われている「件名」と違う意味ですか?
■ ANSWER
「件名」とは図書館の専門用語で、その図書に書かれている内容を示しています。書かれている内容を示すという意味ではメールの件名と同じと言えるでしょう。もともとは図書館の蔵書検索ツールとして使われてきたカード目録のひとつ「件名目録」のための言葉で、カード目録は、ほかに「書名目録」「著者目録」「分類目録」があります。最近はパソコンによる蔵書管理や検索システムの導入が進んでいますが、「分類のカード目録」は処分せずに併用することをお勧めします。
Q.「件名」と「キーワード」のちがい
QUESTION
蔵書検索をする場合、「キーワード」だけでよいのでは?
■ ANSWER
「キーワード」とは検索の手がかりになる言葉。書名やその一部、著者名、出版社などから検索できます。しかし、書名や副題の中にある言葉、著者名などをカタカナでデータ入力しているため、文字認識としてキーワードが含まれる図書が多数ヒットしてしまいますし、主題が言葉としてタイトルに含まれていないものはヒットしません。
一方、「件名」は図書の内容を示す言葉ですから、求める主題の図書が検索結果として得られます。しかし既存の書誌データには、「件名」は1冊の本に対して1つか2つしか付されていない場合が一般的ですので、使える蔵書管理システムにするには、既存の書誌データに「速報版に記載されている件名」や「自校に適した件名」をローカルデータとして加えておくとよいでしょう。
Q.件名付与に使う言葉は決まっているのですか
QUESTION
自校の学校図書館の蔵書管理システムの書誌データに件名を加えるには?
■ ANSWER
「件名」には「統制語」という決められた言葉を使います。例えば、"図書"を表す「自然語」は"本""書物""資料"など複数ありますが、小・中・高それぞれの学校図書館で児童生徒の発達段階にあった言葉を「統制語」と決めて件名を付与することができます。
基本となる件名標目表(統制語として採用した言葉を収録したもの)に、自校で決めた統制語を追加して、独自の件名標目表を作って使用することをお勧めします。
【参考資料】
『小学校件名標目表第2版』(全国SLA 2004年刊)/『中学・高校件名標目表第3版』(全国SLA 1999年刊)※全国SLAでは、これに毎年、見直しと追加を重ねてきた件名標目表を作成して使用。
『基本件名標目表第4版』(日本図書館協会 1999年刊)