学校図書館の機能の充実についてのお願い

 平素より学校図書館の充実につきまして、ご高配を賜り誠にありがとうございます。第五次「学校図書館図書整備等5か年計画」により、学校司書の配置が進み、学校図書館を利用した学習や読書活動が盛んになりましたのも先生方のご尽力の賜物と深く感謝申し上げます。また、新学習指導要領では、教育課程に基づき組織的かつ計画的に、各学校の教育活動の質の向上を図るカリキュラム・マネジメントへ「教科横断的な視点で組み立てていく」ことが求められています。こうした授業改善には、資料を読み解く力や要約する力、分かりやすく表現する力などを育む指導の積み重ねが不可欠です。そのためには、司書教諭・学校司書の配置を拡大し、図書・新聞等の資料が充実した学校図書館の「学習センター」や「情報センター」機能が欠かせません。
 つきましては、左記のように学校図書館の充実にご支援を賜りますようお願い申し上げます。

一 第五次「学校図書館図書整備等5か年計画」の予算化にご支援ください。

 先生方のご尽力によりまして平成二九年度より第五次「学校図書館図書整備等5か年計画」が始まりました。現在、「学校図書館図書標準」が一〇〇%に達した小学校は約七〇%、中学校は六〇%にしか過ぎず、未だ図書整備が十分に進んではいない状況です(文部科学省 平成二八年)。
 そこで、学校司書の配置及び高等学校への新聞配備を含めた第五次「学校図書館図書整備等5か年計画」による地方交付税措置のための予算化が必要です。地方自治体への働きかけ等のご支援をお願い申し上げます。

二 学校司書一校一名の配置促進、専任化の実現にご支援ください。

 小学校・中学校に学校司書の配置を促進する地方財政措置が実施されています。現在、平成二六年の学校図書館法の一部改正により法律に位置づけられた学校司書の活動が期待されるところですが、学校司書の配置は、小学校五九・二%、中学校五八・二%、高等学校六六・六%と、進んでいるとは言い難い状況です(文部科学省 平成二八年)。また、正規職員の学校司書は、小学校一三・七%(前年比プラス一・〇)、中学校一五・三%(前年比プラス五・七)、高等学校六〇・三%(前年比マイナス六・九)と小・中学校で増加傾向になります(全国学校図書館協議会 令和元年)。
 そこで、学校司書の一校一名の配置拡大及び専任化にご支援をお願い申し上げます。

三 司書教諭の専任化・担当時間の確保、教育委員会による発令にご支援ください。

 読書活動や各教科の授業において、学校図書館の活用が年々盛んになっています。学校司書が学校図書館法に位置づけられたことにより、活動範囲も広がってきました。しかし、司書教諭が発令されても学級担任や他の校務分掌との兼務のために、学校図書館に携わる時間が確保できず、司書教諭と学校司書の連携した活動が必ずしも十分とは言えません。これでは、せっかく学校司書が配置されても力を発揮することができません。
 そこで、司書教諭の専任化・担当時間の確保及び教育委員会による発令にご支援をお願い申し上げます。

四 地域の「知」の拠点としての機能を活かす学校図書館の充実にご支援ください。

 全国の小・中学校には、三万を超える学校図書館があります。生涯学習における「知」の拠点としての公共図書館とともに、学校図書館も生涯にわたって学び続ける子どもたちを育む拠点としての機能が期待されています。
 そこで、新学習指導要領による「主体的・対話的で深い学び」を育む授業改善に伴い、教育におけるサービスや資料の充実など学校図書館の機能と設備の強化についてご支援をお願い申し上げます。

令和二年二月七日

●議院議員              ●● ●● 様

●●学校図書館協議会

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